最近なんだか人間関係がうまくいかない。
もしくは以前からうまくいった試しがなく、いつも決まって争って終わる。
そんな状況に陥っていませんか?
人間関係がうまくいかない時は、できてると思いつつも実はできていない「ある事」があるんです。それを今回は見ていきましょう。
多分今回ここに書いていく内容は、見る人が見たら「なんだ、当たり前じゃん」って思うかもしれない。
でも物事がうまく進んでいない時ってのはそういった「当たり前」のことさえも自覚することができないんです。まずは「うまくいかない方がいい」っていう無意識の中にある「目的」を理解し、これから具体的にどうしていくかに焦点を当ててお話をしていきます。
|目的を考える
アドラー心理学では物事の「原因」を考えるのではなく「目的」を考えます。いわゆる『目的論』ですね。
人間関係がうまくいっていない時ってのは、確かにいろいろな要因はあるかもしれないけど、そこは考えず『目的論』の視点から大きくザックリ言ってしまえば「うまくいかない」んじゃなくて「うまくいきたくない」んです。
もしその場の人間関係をうまく収めてしまったら、自分に何かしらの「デメリット」が生まれてしまうわけです。多くの人はこれを避けるために行動を選択します。
そのデメリットとは果たしてなんでしょうか。
|①相手に負けたくないですか?
人間関係がうまくいっていない時の状況を思いだしてほしいのですが、どんな時にうまくいっていない感じがしますか?
おそらくは相手との意思疎通が取れず、しかも自分の意見が通らなかったり、わかってもらえなかったり、平行線をたどったりしているときじゃありませんか?
相手の立場やその時のシチュエーションは人それぞれだと思いますが、うまくいっていない部分を取り出して、周りについている肉をそぎ落としていけば、根本にあるのは上で言ったようなことだと思います。
これって「勝ちたい」でんす。
少なくとも「負けたくない」んです。
いやいや、相手が一方的に悪口を言ってきたんだ、という人もいるかもしれません。
でもそれに対しても、あなたはその意見を否定するために、そして自分の主張を通すために反撃をするわけです。
やはり勝ちたい。負けたくない。
自分も相手も、自分の意見は正しく、相手が屈服するべきだと思うし、屈服させられたくない気持ちがこういった状況を引き起こします。
本来の目的は、お互いにとってより良い結果を会話を通して模索することだと思うんですが、頭の中に「こうあるべきだ」とか、「これが正しい」っていう言葉があると反発が起きやすいんです。そもそも「べき」というのは何をもって「べき」なんでしょうか。「正しい」とは何をもって「正しい」のでしょうか。冷静に検証すれば、それらの言葉がいかに非合理的かが分かると思うんです。
だから前提としてみんな違う意見と感覚を持っていて、絶対的に正しいというものはないということを踏まえて相手と対峙したほうが便利です。
|②「怒り」を多用していませんか?
みんな違う意見で違う価値観なんて分かっている。
歩み寄ろうとしてもダメな場合があるじゃないか。
はい。
もちろんありますね。
でもそれはそれで仕方ないと思います。
人間が違うんですから分かり合えないことだって当然あります。
でもそうとわかった時、もしくはそうわかる前、自分の意見を押し通そうとする時から「怒り」という感情を使っていませんでしたか?
否定されたし、挑発されたし、カッとなって…と言われるかもしれません。
でもわざわざ「怒り」を使う必要がありますか?
だって本来の目的は「自分の思いや主張を伝える」ところにあるはずです。
そこに「怒り」は必要ありませんよね。普通の感情で伝えられるはずです。
普通に言ったんでは聞かないから!…
いいえ、それはつまり自分の意見を押し通したいってことです。
相手を「怒り」という感情で威圧し、支配したいんです。
アドラー心理学での「怒り」というのは常に出し入れが可能な道具であるという見方をしています。どうしようもなく制御できないまま怒り散らしてしまうなんてことは嘘なんです。とても腹立たしい相手と怒りマックスで討論している時に自分の好きでたまらない人が話しかけてきたらその怒りのまま対応しますか?しないですよね。おそらくすぐ怒りをしまうと思います。
アドラーは「怒り」を、「人と人とを引き離してしまう感情である」と言っています。
相手と仲悪くなりたいなら別ですが、きっと違いますよね。できれば良好な関係を維持または築いていきたいと思っているはずです。
だから「怒り」ばかりコミュニケーションで使っていないか見直してみてください。
|③「笑顔」を忘れていませんか?
「怒り」ばかりになっていれば、当然「笑顔」が少なくなっていると思いますが、この「笑顔」は人間関係をうまくいかせるには欠かせない要素です。
幸せな展開というのは、幸せな雰囲気からしか出てきません。
陰気な顔、怒りに満ちた顔から素敵な展開が予想できますか?
笑顔を忘れない。
相手と自分の意見の違いを楽しむ。
相手の意見の可能性に思いをはせ、楽しむ。
2人の意見が合わさることで起きそうな化学反応を想像して楽しむ。
「怒り」が人と人とを引き離す感情なのに対し、「笑顔」は人と人とを結びつける最高のツールです。意見は合わないで終わるかもしれないけど、人間関係が「笑顔」の中で絶望的な最後を迎えることはあまりないでしょう。
わざわざお互いが傷つく方法ではなく、どうせなら幸せにその場を終えられる方法をとっても損はないのではないでしょうか。
|④「ありがとう」を忘れていませんか?
人間関係がうまくいかない時は、自分の意見が正しく、自分の正義こそが世界を救うと思ってしまいがちです。こういう時って「感謝」を忘れるんです。
むしろ自分が感謝されるべき立場にあるのにとさえ思っている事もありますから、自然と「感謝」の言葉を言わなくなってくるんですね。それに「ありがとう」なんて言ったら負けた感じがしてしまう。
素直に人がやってくれたことには「ありがとう」と言ってみてください。
あなたは人の役に立っていますが、同じように他の人もあなたの役に立っているのです。
この世界は一人ではなくみんなの力で成り立っています。
そう思ったら何でもないことでさえ「ありがとう」と思える。
違う意見を言ってきたら「そういう意見もあるんだね。教えてくれてありがとう。」
意見が合わなくても「最後まで一緒に考えてくれてありがとう。」
相手がどういう反応をするにせよ、自分は「感謝」を忘れない。
あなたの言葉に「ありがとう」が復活してきたら、あなたの関わる職場や仲間たちの雰囲気はどんどん変わってくるでしょう。
人間関係だけではなく、色んなことがうまくいくようになってくるはずです。
ダマされたと思って「ありがとう」キャンペーンしてみてもらえませんか?
|あなたの行動で世界は変わる
いかがでしたでしょうか。
どのくらい当てはまりましたか?
もちろん人間関係がうまくいかないパターンは論争だけではなく、他にもパターンはあります。今回はよくあるパターンとして取り上げてみました。
私のカウンセリングオフィスはアドラー心理学でものを考えますから、このブログを読みに来てくださっている方はぜひアドラー心理学のルールで明日からの日々を過ごしてみてほしいんです。
もちろん強制じゃありませんよ。
するもしないもあなたの自由です。
ただ食わず嫌いはもったいないので、できれば一度は実践して、その上で判断してほしいですね。あなたのちょっとした行動がこれからの日々を劇的に変えていくかもしれません。それは可能性に終わらず、実行すれば必ず変化が起きてきます。
自分は本当はどうしたいのか。どうしたかったのか。
これを考えて、丁寧に、そして時に大胆に行動を起こしていきましょう。
“人間関係がうまくいかない時に確認したい4つの事。” への1件の返信