クラスで問題行動を起こす子どもの5つの作戦と対処法~その③『ぜったいに負けない!』

「子どもの問題行動5つの作戦」 、今回は第3回目です。
すぐ言い争いをしたり、口ごたえする。もしくは言いつけを絶対に守らないなど、徹底的に親や先生に対して反抗を貫く子どもたちがいます。
親や先生が本気で腹を立てて、「この子をなんとかしなければ!」と思うようであれば、それは作戦その③の『権力闘争』の段階に入っているかもしれません。

前回の作戦その②は『注目を集める』でしたね。
まだそちらの記事を読まれていない方はぜひこちらをご覧ください。

この作戦その②が上手くいかないと、子どもたちは新たな作戦を実行します。
それが今回の作戦その③『権力闘争』です。親や先生たちは、何としてもこの段階までに子どもたちを正しい方向に導いてあげないといけません。

まず今回は作戦その③を詳しく見ていく前に、そもそもなぜこういった問題児が出てしまうかを考えてみましょう。

|なぜ問題行動が起きるのか


問題行動を起こす子どもを目の当たりにすると、親や先生はその問題行動を起こすその子自体を何とかしようとしてしまいますが、実は問題はそこにはありません。そもそもの問題は家庭やクラス全体に採用している雰囲気であったりシステムにあります。

問題が起こっている集団の多くが採用しているシステムは『競争原理』のシステムです。

アドラー心理学では『縦の関係』や『横の関係』と言いますが、この『競争原理』は先に挙げた『縦の関係』にあたります。先生と生徒、親と子ども、子どもと子どもの関係性の中に上下関係があります。この関係性が支配する中では、学習の動機は上からの支配や恐怖、他の子どもとの優劣、認められるための勉強であり、気づかいや思いやりの行動も同じ動機の上で行われます。

その結果、親や先生の「お気に入り」といわゆる「落ちこぼれ」のピラミッドができてしまい、問題行動は当然「落ちこぼれ」てしまった子どもたちから出てきます。

そしてこの『競争原理』を持ち込んでくるのは親や先生の指導・運営スタイルです。

親や先生が支配・命令し、賞罰をつかったスタイルを採用するのであればこれは当然『縦の関係』ができあがり、そこに働くのは『競争原理』になり、子どもたちもその雰囲気をもって他の子どもたちと対人関係を築きます。

また「愛をもって子どもたちをどこまでも容認し見守る」スタイルも、子どもたちは「何をしてもいいんだ」と責任と協力を学ばない、自己中心的な子どもたちに育ってしまいます。

アドラー心理学で健全と考えるのはみんなが対等な『横の関係』であり、『協力原理』です。

親や先生たちは、子どもと対等で、決して上から命令したり支配したりすることなく、常に問題を子どもたちに投げかけ、子どもたちが起きている問題についてどうするべきかをみんなで考え、子どもたち自身で決めた決定の最終的な結末を子どもたち自身に体験してもらい、子どもたち自身の『気づき』によって学んでもらうよう、助言や援助をする立場でいることが望ましいです。

まさに『子どもたちの、子どもたちによる、子どもたちのための政治』ともいえるでしょう。

この民主的なしっかりとした『協力原理』が働くシステムが、子どもたちの問題行動を改善させるのです。

前置きはこのくらいにしておいて、さっそく子どもの作戦その③に移っていきましょう。

|作戦その③~権力闘争~


作戦その②までは、子どもたちが問題行動を起こしても、大人は本気で腹を立てることは少ないです。しかしこの『権力闘争』の段階まで来ると、子どもたちも一線を越えてきて、大人たちも本気で腹を立てるようになります。

この『権力闘争』段階は、作戦②の段階で子どもたちを完全に無視をしてしまったり、力と権力で無理やり抑え込んでしまったりすると「この程度の作戦では自分の居場所を確保することはできないんだな」と思い、作戦の段階が上がります。

この段階の目的は、すでに注目を集めるところにはありません。
親や先生に「勝つ」こと、もしくは「負けない」ことが目的となります。
大人より自分の方が力があることを証明しようと、あらゆる手段を使って反抗してきます。

積極的な子であれば、やってはいけないことをとことんやり、注意されても相手が怒るまで続け、怒っても続ける。積極的に怒りを使ってかんしゃくを起こしたり、言い争いにより、挑発をやめなかったりします。

消極的なタイプでしたら、やれと言われたことをとことんやらない。やらないというよりは「やれない」ニュアンスを出すこともあるかもしれません。全体的に怠惰な方向に行動パターンをもっていきます。

いずれにせよ大人に徹底抗議して従わず、「あなたはわたしをコントロールすることはできない」ということを証明することが目的となりますね。

|大人の言い争いも『権力闘争』になっている


この『権力闘争』、実は大人同士でもよくみられます。

相談内容に登場する問題が起きている相手との会話の中や、実際に対面して話している最中にも、この『権力闘争』を仕掛けている人は意外と多いんです。
人間関係にトラブルを抱えている人にはとくに…。

ただ話していたのが、いつの間にか「どちらが正しいか」とか、「相手には負けない」」といったことに目的がずれてしまっているんです。そのまま続くと今度は人格攻撃にまで発展していて、何とも後味の悪い終わり方をすることが多いようです。

年齢を重ねるほど、自分の考えは絶対的で、他人の意見を許容できなくなってくるみたいですね…。

一人ひとり世界の捉え方は違うし、流れる時間も、見える景色も違う。

そのことを理解しないで人とコミュニケーションをとるのであれば、中々人間関係は上手くいかないかもしれませんね。

|『権力闘争』への対処法


まず絶対やってはいけないことがあります。

・不適切な行動に対して叱る
・子どもを上回る圧倒的な力や権力で威圧的にねじ伏せる

これをしてしまったら問題がなくなるどころか、確実に子どもたちは次の作戦へと歩を進めます。

そもそも子どもたちは自分の権力が親や先生より上であることを証明するために、大人に困ってもらいたいんです。怒らせたいんです。キレさせたいんです。

だからあなたが本気で腹を立てて、どうにかしてやらねばと思っているようでしたら、まずその挑発に乗ってはいけません。喧嘩を買ってはいけないんです。ただちに土俵から降りることが先決です。

対処する順番としては以下のようなイメージになります。

①冷静に、怒りを使わずにまずやめてもらうようお願いしてみる
②子どもの勝ちを認めてあげる
③不適切な行動には注目しない
④適切な行動を勇気づける
⑤貢献や協力の機会を与える

ざっくりとはこんな感じになります。
ただこの段階になりますと、権力闘争を仕掛けてくる子だけを何とかしようと思っても、何も解決しません。
それはその子に問題があるというよりは、家庭やクラスなど全体に『競争原理』『縦の関係』の雰囲気が蔓延しているところに問題があります。

大人が子どもを自分と対等に思い、尊敬していれば『横の関係』が築かれ、そもそも「どちらが上か」なんて問題は起こらないんです。

なので上に挙げたアプローチはどちらかというと権力闘争を仕掛けてくる子ども個人に対しておこなうというよりも、家庭全体、クラス全体に対して働きかけていくことが大事です。

そしてこの段階で家庭やクラスで『ルール』をつくることが望ましいです。
そのルールは大人が決めるのではなく、子どもたちも含めた全体で決める。
多くの場合『競争原理』や『縦の関係』というのは表に出てこない暗黙のルールのような性質を持っています。

それらを表に出し、かつ『協力原理』のはたらく『横の関係』のルールを作って運営をしていくことで、改善されていきます。
ここで作られるルールは、全員が関わってつくり、民主的で、必要性が感じられ、それらを守ることで日々の生活が快適になるように注意して作らなくてはいけません。

|まとめ


いかがでしたでしょうか。

今回は子どもの問題行動の作戦その③『権力闘争』でした。
戦いを仕掛けてきた子どもに対して大人はどうしても「自分が上である」や「子どもは大人のいうことを聞かねばならない」などの思い込みで無理やりねじ伏せようとしてしまいます。

しかしこれらの方法は百害あって一利なし。
争わない方法で対処しなければ、子どもたちの今後はますます悪い方へ向かってしまいます。なんとかこの時までに家庭やクラス全体の雰囲気を見直し、早急な対応を心掛けたいところです。

これ以降の作戦④からは、多くの場合、専門家の対処が必要になってきます。
手遅れになる前に、今までの自分たちの接し方を見直し、より良い子どもたちの未来のために、コミュニケーションを考えていけたらいいですね。

次回は作戦その④をお送りしたいと思います。
ありがとうございました。

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