親密になるほど難しくなる人間関係を心理学で考える

職場の同僚や上司や部下との人間関係、普段の友人関係、恋人関係、夫婦関係や家族関係、親子関係などが人間関係としてはあげられますね。どのカテゴリー・ジャンルの人間関係でもいいんですが、親密になればなるほどきっと色々なトラブルも経験していることと思います。そのことについて今回は心理学で考えていこうと思います。

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アドラー心理学交流会、終了しました。

先日1月18日に西新宿で行われたアドラー心理学の交流会が無事終了いたしました。
ご参加くださったみなさま、ありがとうございました。

この交流会シリーズはミレニアム株式会社のカウンセリングオフィス『ライフファクトリー』さん主催のもと開催させていただいております。こういった機会をセッティングしていただいて感謝です。

さて、今回の内容はアドラー心理学で考える「上手な気持ちの伝え方&受け取り方」にフォーカスした内容でワークなどをしていきました。

コミュニケーションをとる上で、例えば言い合いや喧嘩になる時って傾向があるんです。それらは主に「言い方」でもあるんですが、それ以前に自分の思っている事は真実か?というところが抜け落ちていることが多いんです。

|主観的な意味づけがされた世界

アドラー心理学では「認知論」と言ったりしますが、これはどういうことかというと、人はそれぞれ主観の世界に生きているわけです。主観の世界というのは自分に対する理想であったり、自分や世界のあり方などの自分が生きてくる中で構築された自分の価値観や自分ルールの世界ですね。外からの情報を自分の価値観や自分ルールというフィルターを通して取り込んでいるわけです。

つまり例えば目の前にある「赤いリンゴ」というのは自分のフィルターを通すと、「昔から大好きでたまらない大好物のリンゴ」であったり「美味しくなさそうで今はあまり食べたくないリンゴ」だったりする。これをアドラーは「意味づけ」と言っていました。目の前にある客観的な事実や現象というのは、そのまま純粋な形で自分は認識することができなくて、必ず私的な意味づけがされて解釈すると考えたいんです。

だから普段自分が当たり前に思っている事や、常識と思っている事って、実は客観的な事実ではなくて、自分のフィルターを通して解釈した思い込みだったり意見にすぎないんです。

このことをしっかりと理解できている人同士だとコミュニケーションは円滑に進むのですが、そうでないとトラブルが起きやすかったりします。

なぜかというと、自分の思っていることが「事実」と思っているから。「真実」と思っているから。もっと言えば「自分が正しくて、相手が間違っている」と思っているから。

だからまず自分の伝えたい気持ちは「意見」であると思いたいんです。
相手が言ってくることも、ひとまず「意見」と思っておきたいんです。

そんなことを理解して、自分に落とし込み、実践的にどう使っていくかを学んでいくのが今回の交流会でした。

|終了後はカウンセリングも

終了後は、参加者の方も少し残られて盛り上がったもんで1時間くらいお話ししてしまいましたね。笑

私やみなさんの時間が許せば、終了後はお話をお聞きすることも多々。せっかくお会いできたんですから、私の持っている知識や考え方が少しでも役に立つのならどんどん提供させていただきます。

複数いらっしゃる場合は、みなさんでお話を聞くのもとてもいいことだと思っているんです。同じような悩みだったり、ある人の解決策が自分にも使えたり、アドラー心理学に興味がある他の人がどんな解決策を思いつくのかなど、持ち帰れることはとてもたくさんあるように感じます。そして何より安心するし、心強いんです。辛いのは私だけじゃないんだな!と仲間がいることに気が付ける。立ち向かおうとしている仲間がいることにとても勇気をもらえるんです。

このシリーズの交流会はこれからも継続していきますので、機会あればぜひ気軽にお話しお聞かせくださいね。

|今後の予定

私の活動としては主に3つありまして、①カウンセリング、②交流会・セミナー、③勉強会です。

カウンセリングは日常的に行っておりまして、②の交流会は今のところ2月13日に小田急線百合ヶ丘駅すぐのharu+さんの方で10時30分より2時間を予定しております。③の勉強会は1月23日が初回ということで、そこから毎月2~3回ペースで麻生市民交流館「やまゆり」という会場で開催していきます。

いきなりカウンセリングのハードルが高いという方は、交流会やセミナー、勉強会などでアドラー心理学がどんなものかを感じていただくと良いかもしれませんね。

何はともあれ、気になることあれば気軽にご連絡ください。
思い悩まず、まずは行動を起こす。
これが一番です。

みなさまからのご連絡お待ちしております。

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【相談内容】友だちと同じ人を好きになってしまいました。

心理カウンセラーの田山です。
ご質問を頂きましたので、お答えさせていただきますね。

今回のご質問は『友だちと同じ人を好きになってしまいました。どうすればいいでしょうか?』というご相談内容でした。こちらのご質問をアドラー心理学で考えていこうと思います。

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アドラー心理学交流会@西新宿

明けましておめでとうございます。
今年もどうぞ宜しくお願いいたします。

昨年、西新宿で行われましたアドラー心理学の交流会が、株式会社ライフファクトリーさんご協力のもと、2020年1月17日18日にふたたび開催されることとなりました。

前回は一日のみの開催でしたが、今回は2日間ございます。
1月17日は夜の時間帯、18日は昼過ぎの時間帯ですね。
内容としては大きな差はないのですが、17日は時間帯も遅いことから少しビジネス寄りのお話を例にとりながら色々なことができたらと思っております。

少しだけ内容を…。

アドラー心理学ではすべての悩みは対人関係に由来するとまで言います。
人と関わる上での悩みは尽きないものです。他人に振り回される、マウントを取られる、嫌味を言われる、意見が合わない、思い通りにならずイライラするなど、その悩みは多岐に渡ります。

今回の交流会では主に「人間関係においての上手な気持ちの伝え方、上手な気持ちの受け取り方」にフォーカスしていきたいと考えております。

上に挙げたような人間関係での悩みは、一人で抱え込んだり、自分が我慢すれば済むんだなんて思っているとどんどん辛くなっていきますし、身動きが取れなくなっていってしまう。

そんな状態から抜け出すために、やはり自分の気持ちを上手に伝える、相手の気持ちを上手に受け取るという技術は不可欠になってきます。でもこれがまた難しい。意見を言ったら相手が不機嫌になったり、逆に自分が言われたら否定されている気分になったりすることが多かったりしますよね。

そこをアドラー心理学での考え方と技法で、上手に乗り越えていきましょうという会です。これを知る事で、今まで感じていた心苦しさや、頭を抱えるような人間関係の悩みはだいぶ改善されてくると思います。人と向き合う時の軽やかさが違うと思う。

座学は少しで、なるべく参加者同士でワークをしていくような実践的な内容にしようと思っておりますので、お近くの方、アドラー心理学に興味がある方、人間関係で悩まれている方はぜひお気軽にご参加ください。

最後の方はオープンカウンセリングのような形で、質問やご相談があればお答えさせていただく予定です。

2020年1月17日(金)19時~ @タリーズ西新宿店 【お申込み

2020年1月18日(土)14時~ @タリーズ西新宿店 【お申込み】

※上記、専用の特設ページにてお申し込みをお願いいたします。

何かご不明点ございましたら、お問い合わせよりご連絡くださいね。
通常カウンセリングも平常通り行っております。お問い合わせ、カウンセリングご予約は下記よりお願いいたします。

カウンセリングご予約・お問い合わせ

「嫁姑」の付き合い方をアドラー心理学で考えたい。

もう2019年も終わってしまいますね。
年末になれば帰省して、ご家族と過ごす時間も増えますよね。そんな時によく聞く「嫁姑問題」。なぜこうも上手くいかないのだとお悩みの声が多いのでアドラー心理学的に考えてみようと思います。

今回お話しする内容は、私がアドラー心理学的にどうありたいか、ふるまいたいかの一意見を書くものですので、これが絶対的に正しいとも言いませんし、こうあるべきだ!と押し付けようとするものでもありませんので、参考程度に思っていただけたら嬉しいです。

|「嫁姑」ってネーミングが好きじゃない

まず前提としてお話しておきたいことがあって、今回お話しようとしている内容の人間関係には「嫁姑」って名前がついていますね。
こういった名前がついていると何だか特別に特殊な問題や悩みであったり、関係性であるような感じがするし、とてもネガティブな先入観が入るようで私は好きじゃないんです。

これはアドラー心理学でもおそらくそう考えたいんですが、その人間関係のパッケージというかネーミングというかラベリングというか、何と言ったらいいかわかりませんが、そういうのは関係ないんです。

女性と女性の二人の人間関係があって、たまたまそのうちの一人はご主人のお母さまという役割があり、そのうちの一人はご主人と結婚しているお嫁さんという役割があるだけの他と何ら変わらない一対一の人間関係なんです。

これは何も「嫁姑」だけに限らないんですよ。
例えば「介護」って名前も具合が悪いですね。「介護」じゃなくて、たまたまお手伝いが必要な人と、それをお手伝いする人の人間関係なんです。これも話すと長くなりそうなんでまたいつの機会かにしようと思います。

|息子・ご主人は考えない

今回のお話はお嫁さんの立場でも、お姑さんの立場でも考え方は一緒であることを前提にお話ししていきます。

まず女性一対一の関係性が悪くなる場合、それはアドラー心理学では何かの目的のもとそのような状況をお互いが作り出していると考えたいです。

その目的の一つは息子・ご主人であったりするかもしれない。

例えば息子・ご主人は自分のものだ!とどちらかが思っていたらそれだけで構えが変わりますから上手くいかないでしょうね。そもそも人は人を所有できるとは考えたくありませんし、所有できるものではありません。それが家族であっても夫婦であっても恋人であっても。
しかしそういう思いがどこかにあるのなら、「奪われた」とか「奪われてたまるか」って気持ちが出てきて戦いが始まってきます。そうしたら双方負けたくないですし、お互いそんな態度だったらどちらも憎たらしくて当然ですね。

だからまずは息子・ご主人といえどその人は今対峙している人間関係からしたら第三者ですので持ち込まず切り離した方がシンプルです。

|ルールは違うし、絶対的に正しいものはない

そして例えば他には自分のルールの正当性を競ったりする。
「そんなやり方ダメよ」とか「子どもにそれはしないでほしい」とか。

これももはや二人の構えが「戦い」になってる状態ですのでこうなってしまうのですが、とりあえずはそれぞれ自分のやり方があって、それが正しいと思っているし、自分のやり方を否定されて違う事されれば当然口出したくなるんです。許しがたいんです。負けた気がして。

人はそれぞれ主観の世界で生きています。目の前で起きている現象に対する受け止め方はひとそれぞれです。自分の理想であったり、世界はこういうものだっていうイメージも人それぞれです。一つとして同じ世界はないと思っていただいていい。

違うはずなんだけども、みんな違うことを受け入れたくないか、自分のイメージが正しいと思いたいのか、他人の世界観に対して寛容になれないことが多いらしく、トラブルにつながっていたりしますね。

これは「嫁姑」の人間関係に限らず、どんなところでもみんな違う価値観や考え方を持っていて、それぞれのルールを持っていると考え、それを否定せず尊重していこうという心の在り方を持ちたいところ。別にそうすることが正しいとかではなく、その方が便利ですよってことです。

これで終わるとじゃあ具体的にどうすればいいのと言われるかもしれませんが、それは一概に言えないんです。いろんなケースがありますから。でもあえて言うのであれば、お嫁さんの立場ならご主人の家に行ったら「郷に従え」という言葉もありますから、とりあえずどんなルールでこの家庭はやってきたのかなと思って研究してみたらいいし、むしろそれはご主人のライフスタイルを詳しく知るいいきっかけになるかもしれない。お姑さんの立場だったら、違うルールで育ったお嫁さんに興味関心をもって接し、うちのルールを紹介して、お嫁さんの家庭のことも聞いたりして、それは面白いと思って実践してみるのもいいかもしれない。

どっちが正しいとか、こうあるべき、こうしなさいってのは反発が起こりやすいから、まずそういった考え、態度、構えを取り払っていけたら便利ですね。

|相手は変えられない

こういったお話は「悪いあの人、かわいそうな私」になりやすいですね。アドラー心理学ではこういった意見の肩を持ちたくないんです。例えば「お義母さんがこんなにひどいことをしてきて、私はこんなつらい思いをした」ってのは問題が解決しないんです。これを第三者に言ったところで第三者は何もできない。事態を変えることができるのは当事者だけなんです。

つまり相手は変えられないんですね。
相手が何を思って、何を選択して、どう行動するかは完全に相手の自由であって、自分にはどうしようもないんです。たとえ行動を制限できたとしても心がどうあるかまでは奪えません。だから相手は変えられない。

ではどうしたらいいかと言えば、自分が変わるしかない。

ひとまずこういった「相手が私に感じ悪く接してくる」なんて時は、まず自分の態度や構えがよろしくないと思いたいんです。相手はどうしようもないヤツと感じるかもしれませんが、文字通り、あなたは相手に対して「どうしようもない」んです。
相手をどうにもすることができないのなら、自分が動き変わるしかない。自分は変われる。自分が変われば、相手も変わるかもしれない。そう考えたいんです。

少し考えていただきたいんですが、相手が自分を信頼してくれてなくて否定してくるとしますよね。そんな相手にあなたはどう接してやろうと思いますかね。おそらく同じように接しますね。でも相手がそれまでの態度を改め、自分を尊重して信頼を寄せてくれて、肯定してくれるようになったら、あなたもそれまでの態度を辞めようと決心できる気がしませんか?

だからまず自分から始めたいんです。

人間関係をよりよくするためのキーワードはいつも「自分から」なんです。
アドラーは自分自身を他人や共同体に適応させていかなくてはならないといっていました。よく「他人は他人、自分は自分。自分の道を突っ走ればいい。」という人もいますが、それはアドラー心理学的ではないと思うんですね。自分の良さを活かして共同体に役立て、協力しながらよりよい世界を目指していく、それが自分やみんなの幸せにつながるようにしていきたいのがアドラー心理学なんだと思うんです。

|まとめ

今回お話した内容は、たまたま「嫁姑」ですが、これはこの関係性に限ったことではなく、どんな対人関係でもいえるお話ですし、応用できるお話です。

目の前にある人間関係をどう受け止めるか、どう感じるかは完全にあなたが決められる。「あ~イヤだな、疲れるな~」ってのはあなたが嫌だと思うことにしているし、疲れる人間関係にしているにすぎない。あなたの構えや態度、接し方で変えることができるし、素敵な関係にしよう!と思えばそう動き出すんです。

会わなくてはならない運命を呪うのではなく、会う機会を祝福して、自分がどうしていけば自分を含めよりみんなが幸せな時間を過ごせるかを考えていきたいですね。

一つ注意したいのが、これは自己犠牲や我慢をする感覚ではないです。
そういう概念があるうちはまだアドラー心理学でいう縦の関係を抜け切れていない証拠かもしれません。

この年末年始、少し自分の行動を見直しながら、幸せな時間を作ってみることを試してみてくれたら嬉しいです。

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あの人は私と接する時に態度が変わるんです!をアドラー心理学で考える。

自分と接しているときには態度が悪いのに、相手が別の人と話しているところを見かけると全然そうではない。なぜそんな態度をとってくるのか、どうにかできないか。こういうご相談をよく受けたりします。今回はそんな状況をアドラー心理学で考えていこうと思います。

相手の接し方において、大抵の場合、自分の目の前にいる相手の態度が本当の性格だと思ってしまう傾向が多く、それでいてその相手が他の人と接している姿が違えば猫をかぶっているか、いずれにせよあまりいい印象を受けないものです。

これは一体どういうことが起こっているのでしょう。
そもそもこの事象の受け止め方、捉え方は妥当なのかどうか。
一緒に考えていきましょう。

|決まった性格はない

よく心理学ときくと「あの人はどんな性格か教えてほしい」とか「こんな人はどんな性格か」といったイメージがあると思うのですが、アドラー心理学はそういった問いに対する答えを持っていないんです。無理やり答えようと思えば答えられないこともないと思うのですが、アドラー心理学は基本的にはそういうのは好きじゃないんですね。

アドラー心理学は個人心理学が正式名称ですが、これは例えば性格タイプを分けたりする心理学とは違い、その人個人個人に対して、それぞれ違ったライフスタイルをみていきます。ライフスタイルというのはアドラー心理学の用語ではありますが平たく言えば「性格」といえるものですね。

個人個人における違ったライフスタイルを見出していくのですが、このライフスタイルを見出していくには必ずライフスタイルを見出される本人相手役の存在が必要になってくるんです。

本人一人だけじゃダメなんですね。最低二人一組で考えていきたい。
ここがアドラー心理学の面白いところでもあると思うんです。ライフスタイルというのは相手がいて初めて形として現れてきます。それも相手が変われば当然また変わったパターンが現れてくるんです。

つまり態度や性格というのは基本的に人によって違うんです。

|性格はどこにあるか

その人の性格というのは頭の中や心の中にあると思うと、一つの形でしか存在しないように思いやすいですが、アドラー心理学では自分の体の中にあると考えると少しわかりづらいんですね。

ではどこに性格はあるのか。
人と人との間にあると考えたいんです。

これって面白いですよね。アドラー心理学では性格を考える時「人」では考えず「人間」で考えるんです。「人間」というのは「人の間」って書きますね。この人の間に性格が存在するんです。相手との関係性の中に性格が存在し、相手が変われば性格のパターンも変わってくるんです。

|性格というのは量子の動きに似ている?

これは私が勝手に思ったことなのですが、この性格の動きってとても量子力学で扱う素粒子の動きに似ているなって思うんですね。素粒子というのは観察するまでは流動的で決まった形がないんですが、観察された瞬間動きを変えて形が決まる。観察される前の状態というのは確認しようと思っても確認できないんです。

人間も同じで、一人でいる時というのは誰も観察していませんからその人がどんな性格であるかはわかりようがなく、自分としても常にいろんな状態が混在しているような状態で、人と会ってしまえば一人の時の自分はたちまち形を変え、相手に合った性格となって形を決めるわけです。

相手の元々の性格なんてのは誰にも知りようがないのですが、そのかわり相手の今の時点の性格に関しては、実はコミュニケーションを取っているあなたなら確認することができます。それはつまりあなたという観察者の影響が相手の性格を決めているので、相手が勝手に私に対して具合のよろしくない態度をとってくるというのは少し話が違くて、相手が自分にとって思わしくない態度でも、素晴らしい態度でも、どちらにしても相手がそうなっているのは他ならぬ自分がそうさせているとアドラー心理学では考えたいんですね。

そこに例えば第三者が入ってきたとしたら、きっとまた変わってしまうんです。その第三者がモニター越しに二人の関係性を観察していたのならギリギリ二人の関係性としての性格を確認できるかもしれませんが、介入した途端、観察していた性格はまた形を変え、別の姿となってしまいます。

|相手の嫌な態度はどうすればいい?

ここまで来ると大体アドラー心理学の立場としての回答というのは見えてきているかもしれませんが、相手が嫌な態度をとってくるときはどうすればいいんでしょうか。

自分が変わるしかないんですね。
自分で何とかするしかない。

相手の態度というのは前項で書いた通り、あなたの影響で決まっています。厳密には相手の立場で考えれば、相手は相手自身の態度であなたの態度が決まるという同じ現象を体験しているわけですが、そこは課題の分離をして考えない。あなたは相手ではないので、相手のことは相手に任せて自分にできることを考えていきたい。では自分にできることは何かといえば、自分の相手に対する構えや態度を変えていくしかないんです。

カウンセラーや第三者は直接的に介入はできないんです。介入すればまた変わってしまうから。だから何とかするには自分が動くしかないんです。

|態度の目的を考える

ではどんな時に相手が自分に対する態度を悪くしているのでしょうか。
前項でも書いた通り、相手がそのような態度をとっているということは自分の構えや態度に問題があるとアドラー心理学では考えたいので、まずそこを見直したいですね。

相手にそのような態度を取らせてしまう自分の目的を考えてみましょう。

おそらく縦の関係になっているのではないでしょうか。
相手に負けたくない、下に見られたくない、立場や主導権は有利に握っておきたいなどの無意識にある隠れた目的があることがほとんどです。そういった態度でのぞめば相手も圧を感じ屈したくない目的の元、それは権力闘争へと発展して常に威嚇をしあった状態になってしまいます。

そうなればそういった態度や考えを取っ払って接するしかありません。アドラー心理学でいう横の関係を築いていくことをしたい。今のところ目の前にいる相手は嫌な人かもしれませんが、それでも善い人であると思い接したい。自分が緊張状態を解くことによって相手の行動にも変化が現れてくるわけです。

|まとめ

いかがでしたでしょうか。

まず性格というのは人と人との間に存在するもので、性格は相手によって変化するということは押さえておきたい。一日中イヤな奴というのはいなくて、人や場所によって色んなその人が存在するんです。どれかが偽りなのではなく、どれもその人自身であると考え、もし相手が嫌な態度をとってくるようなら、それはあなたがそうさせているとまずは考えて自分の態度や構えを見直していきたいです。

相手との関係を改善するにはどうやっても自分が動くしかないのは確かなんですが、自分がどんな状態で相手に接しているかは自分ではわかりづらいものです。そこは私のようなカウンセラーや第三者に客観的にみてもらうことをお勧めします。

何はともあれ、相手が自分に対してよろしくない態度だなと思ったときには相手のせいにせず、そして相手をどうにかしようと考えず、自分について振り返り、自分が変わることをしてみてください。

それがアドラー心理学の生き方といえるかもしれません。

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クラスで問題行動を起こす子どもの5つの作戦と対処法~その④『復讐してやる…。』

「子どもの問題行動5つの作戦」の今回は第4回目です。
前回は『権力闘争』でしたが、この段階でさらに勇気をくじかれると、その行動は『復讐』へと歩みを進めます。

前回の作戦その②『権力闘争』の記事を読まれていない方はぜひこちらをご覧ください。

『復讐』段階にきますと、中々一筋縄ではいかなくなります。
本来はこの段階に来ますと専門家の対応が必要になりますが、自分たちにできることも考えてみましょう。

作戦を見極める


よく『権力闘争』と『復讐』段階の見分け方が分からないというご質問を頂くことがありますので、少しそこについてお話しします。

『権力闘争』の時には、受ける側は「怒り」や「苛立ち」を覚えます。相手も自分はあなたより上だということを証明したいので、徹底的に挑発してくることが多いです。
それに対して『復讐』段階では、「怒り」や「苛立ち」を通り越して「嫌な気持ち」「罪悪感」などを感じたりします。
受ける側がある種の「無力感」を感じてしまうわけですね。

|作戦その④~復讐~


作戦その③の『権力闘争』では、相手に負けまいと力比べをしてくるわけですが、今回の作戦その④では『権力闘争』に子どもが負けてしまい、力で勝てないならせめて直接的な方法ではなくても傷つけてやる…となるわけです。

その具体的な方法としては、例えば何を言っても言うことを聞かない、非行に走る、不登校になる、自傷的になるなど、大人が声をかけてもその努力を一瞬で消しさります。

作戦その③では子どもはある種仲間たちから「英雄」的な立ち位置で見られることもありますが、『復讐』段階では仲間たちや大人からも「悪者」として扱われます。

そしてどちらかというと大人に直接目の前で何かをするというよりは、陰で企み、大人の声掛けに対しては後味悪く反応してくるような段階です。

|『復讐』への対処法


この段階まで来ると当事者ができることは実は少ないのです。

『復讐』段階の子どもに対して、いかなる働きかけも心に届きません。
まずは第3者に協力を仰ぎたい。先生ならば、その子と関係を持てる同僚の先生であったり、母親であれば父親へ、父親であれば母親へなど。

そそてあなたにできることはまず自分の非を認めることです。
自分が傷をつけたつもりはなくても、あなたに『復讐』しているのなら相手が傷ついていることは事実です。
「自分も傷ついている」など思っても言ってはいけません。大人側からの『復讐』として受け取られてしまい、ますます遠くに離れていってしまいます。
しっかりと非を認め、謝ることをまずしたいです。
そして、その子の了解を得たうえで、クラスないし家庭で話し合いの場を設け、協力を仰ぎ、その子をサポートしてくれるようにお願いしたい。

しかしもしその子が学校そのものや家庭そのものに不信感などを抱いているのであれば、やはり専門家の援助が必要です。

|まとめ


『復讐』段階まで来ると、当事者にできることは本当に少ないです。
『復讐』段階まで来る前に子どもと向き合い、問題を解決することが何より大切だと私は思います。

とにもかくにも、このような問題行動を起こす子どもが出るというのは、その子自体に問題があるわけではありません。その問題行動は必要があって行っているんです。それは何のためかというと、クラスや家庭などの「共同体」に所属したいから。

その「共同体」に競争原理が働いていれば、当然何かしらの戦いに負ける子が出てくるわけです。そういった子は健全な方法ではその共同体に所属できないと思い、注目をひいたり、大人と戦ったり、復讐したりするわけです。

だから子どもを責めたりするのは少しズレているんだと思います。
改革すべきは共同体に働いている「雰囲気」や「ルール」ですね。競争原理をやめて協力原理が働く共同体にしたい。それは『縦の関係』ではなく『横の関係』で、お互いが信頼しあい、お互いに協力して、貢献しあえて、自分の居場所がある、そんな共同体です。

みなさんのクラスや家庭はどんな雰囲気ですか?
たまに立ち止まって見つめなおしてみるのも有意義かもしれません。

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カフェで『席を譲れ空気』を出しながら待ち続ける人の行動を心理学で考える

興味深いことがあったんです。満席のカフェで、ひたすら「長いのよね〜。なんで空かないのかしら。もう帰ろうかしら。」と利用客に聞こえるような声でつぶやきながらテーブルの側に立ち、どかせようとする方に遭遇したんです。

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人間関係がうまくいかない時に確認したい4つの事。

最近なんだか人間関係がうまくいかない。
もしくは以前からうまくいった試しがなく、いつも決まって争って終わる。
そんな状況に陥っていませんか?
人間関係がうまくいかない時は、できてると思いつつも実はできていない「ある事」があるんです。それを今回は見ていきましょう。

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