今回は「不安」に対する対症療法的なお話です。
不安って厄介ですよね。
不安というのはハッキリとした実態があるわけではありませんから、この気持ちをどこに向けていいかもわからないし、この状態を解決するにもどうしたらいいかわからない。
体の状態的にも明らかに変化が起きていたりします。
頭が痛くなってきたり、心拍数が上がったり下がったり、胸のあたりが気持ち悪くなったり、考えはもちろんですが体の症状にも変化が見られます。
考えから不安になるのか体の症状から不安になるのか、これはどちらが先か分からないですが、今回はとりあえず私がおススメしている不安の症状へのアプローチをご紹介しようと思います。
|不安はどこにあるのか
不安というのは9割方「予期不安」と言われています。
まだ来ていない、起こるか分からない未知の怖さなんです。
つまり「いま、ここ」にある感情や考えではないんですね。「いま、ここ」にないから何ともとりとめがないんです。
とはいえアドラー心理学では「不安」という感情も相手に対して何かしらの目的があると考えますが、ひとまず今回は体の症状へのアプローチがテーマなのと、いずれにせよその状態ですと中々厄介ですので「いま、ここ」に戻ってくることをしていきましょう。
|①自律神経を整える「呼吸法」
不安なときはまずは自律神経を整えることをしたいです。
そこで私が利用しているものの一つが「呼吸法」です。
自律神経は交感神経と副交感神経の二つに分かれていまして、簡単に説明しますと交感神経は興奮作用をつかさどり、副交感神経は体をリラックスさせてくれます。
不安なときはこの交感神経が優位に働いていますので、これをリラックス効果の高まる副交感神経を高めるか、もしくはバランスを調整していきます。
呼吸はまさに面白くて、まず息を吸うと交感神経が高まります。息を吐くと副交感神経が高まります。ぜひ試していただきたいんですが、胸に手を置きながら呼吸をしますと息を吸うと心拍数が速まって、息を吐くと心拍数が落ち着くんです。
だからこの呼吸法を利用します。
①目を閉じて今肺にある息を吐き切りましょう。
②鼻からゆっくり息を吸います。
③口からフーと吸った倍の時間をかけてゆっくりと吐いていきます。
これを不安な状態の時最低3回以上行って、落ち着くまでしてみてください。
大分気持ちが落ち着いてくると思います。
|②今に集中するための「瞑想」
起こるかもまだ分からない未知の不安や考えを払拭するためには、別のことに集中することが効果的なのも分かっています。
そのために利用しているのが「瞑想」です。
瞑想と言っても正式な瞑想と呼べるかは分かりませんが、私は「絵描き瞑想」と呼んでいます。瞑想というイメージよりは瞑想状態を作り出すためのワークと考えていただく方が近いかもしれません。
実は私はよく絵を描くのですが、昔から基礎練習として真っ白な紙に直線を何本も描く、波線を何本も描く、綺麗な四角を描く、綺麗な円を描く、ということをしてきました。
これってとても無心になれて集中できるんですね。
思考がまだ見ぬ未来から「いま、ここ」に戻ってくることができます。
みなさんにオススメするのは特に「円」です。
「〇」をひたすらに描く。
①白い紙にペンで「〇」をあまり考えずいくつか描きます。
②大きさを変えてまたいくつか「〇」を描きます。
③好きな大きさで今度は綺麗に「〇」を描きます。
③までくると大分集中して無心に「〇」を描いていて、気づくと体に起こった不安などは消えています。気を付けるのは綺麗な正円を目指すことと、描き始めと描き終わりをしっかりつなげることです。
慣れてきたら大きな円を描くようにすると難易度も上がり、より集中して瞑想状態に近づけると思いますので、ぜひ試してみてください。
|不安症状が消えたら…
不安な気持ちや考え、体の症状が落ち着いたら改めて自分が今抱えている問題は何かを考え、今のこの状況で自分にどんなことができるかを考えていきたいです。
不安が続いている状態では思考にベールがかかっているような状態ですので、やみくもに進んでも迷宮入りするだけです。
霧を晴らし視界が良好になったら、歩みを進めていくのでも遅くはないかもしれませんね。
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