好きになる人、付き合う人がなぜか毎回「ダメ男」。
金銭感覚がだらしなかったり、浮気ばかりする人だったり、ダラダラと何もしてくれない人だったり。
「今度こそは」と、学習したつもりでもなぜか「ダメ男」を引き当ててしまう。
そんなお悩みを心理学の視点から考えてみました。
※毎度おなじみ、専門はアドラー心理学ですのでその観点からのお話になります。割と威力が高めかもしれませんので、心して読みかかってください。←
さて、アドラー心理学ではその行動の心理を見る時に、「原因」ではなく「目的」を考えます。まず大枠としての深層心理を先に言ってしまうと…
なぜかダメ男を好きになってしまうのではなく、自分からダメ男を好きになっている。
ということになります。
構造としては、いわゆる「ダメ男」と付き合うことで、 自分が抱える何かしらの劣等感を克服するのに大変なメリットがあるわけです。
「そんなことない!」と反発が来そうですが、自分の深層心理、無意識の部分というのは自分では把握できないものです。
それにこれが悪いことであるとも私は思っていません。
アドラー自身も「不完全である勇気を持て」と言っているくらいです。
まずは「そんなありのままの自分」を認めてあげて、寛容に受け入れてあげることが素敵な恋愛への第一歩だと思います。
では詳しく心理背景を見ていきましょう。
1.両親が同じような関係
人は10歳くらいまでに性格(アドラー心理学ではこれを「ライフスタイル」といいます)を作り上げます。そこには人生に立ちはだかる問題をいかにして解決していくかの行動パターンであったり、物事の価値観、受け止め方などが含まれます。
ともなれば自分の頭で思い描く「恋人・夫婦関係」のモデルは当然両親や身近の大人の男女カップルである可能性が高いということになります。
もしそのモデルにした男女関係があまり健全ではなかったとしたら、当然その健全ではないモデルが現在に影響していることになるでしょう。
母親が大変に世話焼きで、父親は怠けグセがある。
何でも母親が尽くしている姿を目に焼き付けていたら、「男女の関係はこういうものか」と学習する可能性が高いです。
母親が支配者、父親が被支配者って関係もあり得ますね。いろんなパターンがあります。
もちろん、どのパターンを選択をするかは個人が自由に決められるとアドラー心理学では考えますので、反面教師にして生きていくことを決めるパターンもあります。
とはいえ、このような幼少期の記憶が「今」の影響因になっていることは、少なくありません。
2.自分に自信がない
「ダメ男」を好きになってしまうのには、自分が抱える何かしらの劣等感を克服するのに大変なメリットがあるためと前述しました。
その劣等感を紐解いていきますと、実は自分に自信がなかったりします。
「自分は人並みに、誰かを喜ばしてあげることができない。
自分なんて大したことない。
たくさん尽くさないと自分の存在価値がない。」
人は自分の劣等感を補償するために、様々な行動を起こしますが、育ち方や「勇気」の有無によっては、あまり健康的ではない行動によって劣等感にフタをしてしまいがちなんです。
その方法が、自分が支配しやすい人、自分より活動が活発ではない、もしくは世話を焼けるポイントがある人とお付き合いをするということにつながっていくわけです。
自分より何かしらにおいて立場が下であれば、自信のない自分であっても存在意義は保たれ、能力があることを自分に対して証明することができます。
まわりから見れば、その光景は一見「彼氏に尽くしている献身的な彼女」なのですが、かなしいかな、彼氏のためと思っている行動は深層心理では意外にも自分のためであったりするんです。。。
でも落ち込まないでほしいんです。
あなたはより建設的な方法を知らなかっただけで、あなたは悪くない。
「勇気」をくじかれてしまっただけで、あなたはたくさんの可能性に溢れていることに気付いてほしい。
3.承認欲求が強い
これは前項の「自分に自信がない」につながる話でもありますが、「人に認めてもらいたい、注目してもらいたい」という深層心理が強いことも忘れてはいけません。
こういった傾向が強くなる要因としては、もちろん家庭環境なども大きくあります。
自分の存在価値をしっかりと認めてくれなかった記憶が強いと、より人に認めてもらいたいと思う気持ちが強くなる傾向があります。
しかしこの承認欲求は、アドラー心理学では人生においてあまり便利なものであるとは考えません。例えば、善い行いをするにあたり、人が認めてくれなかったり人が見ていないとやらないという思考・行動パターンを作ってしまうからです。善い行いは、人が見てようと見ていまいと、やった方が健全といえます。
そしてこの傾向が強い人の中心となる行動の目的は、「自分に注目を集める」ということになります。
本人が取る立場としては「かわいそうな私」「悪いあの人」という思考パターンです。
こういう自分でいれば、こういう恋人・夫婦関係を持っていれば、まわりからも心配され、同情され、努力を認められ、話題の中心になることができます。
ダメ男との付き合いに限らず、人間関係で泥沼にはまり、負の連鎖に陥っている人はこの段階まで思考パターンを強めている可能性が高いです。
【解決策】ありのままの自分を受け入れる
解決のためにはやはりありのままの自分を受け入れることが何より大切になってきます。
まずダメ男に引っかかってしまうあなたは、自分に自信を持ってほしい。
あなたはダメ男と付き合えるくらいですから、きっととても包容力があって優しい。
忍耐力があり、面倒見も良い。困っている人を放っておけない人だと思う。
ある意味これらの能力が人並み以上に高いともいえるかもしれません。
これらは誇っていい自分の長所です。
実際に、相手がダメ男だろうと尽くしたり我慢したりできている。
現に出来ているということは、相手が変わってもその能力は失われません。
むしろやりたくてもそういう行動がとれない人はたくさんいます。
だから自分に自信を持ってほしいんです。
あなたはダメ男をわざわざ選ばなくても、十分魅力的な人。
そんな自分を受け入れることができたら、自然と付き合う男性のタイプが変わってくるでしょう。
そして新しい恋が始まっても、今までのクセ、例えば尽くしすぎたりしてしまうなんてのは最初のうちはグッと我慢してみてください。
男性は意外と頼られるのが好きです。
あなたがやるのではなく、素直に頼んでみるのも良いかもしれません。
あなたも何かをしてもらう権利があるし、してもらえる魅力が十分にある。
男女の関係というのは、相互で役割としてのバランスをとっていくものですが、そこに決まりはありません。でもどちらかが一方的に支配したり、尽くしたりする上下の関係ではなく、対等に横の関係を築いて、同じ足並みで、人生における様々なことを分かち合えていけたら幸せじゃないですか?
安心して下さい。
決して不幸の星のもとに生まれたわけではありません。
あなたの行動次第でいくらでも幸せをつかむことができますよ。
今一度、ご自分を見つめなおしてみてくださいね。
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