第4回あさおアドラー心理学勉強会

2月14日は小田急線新百合ヶ丘駅最寄りの「麻生市民交流館やまゆり」で行われたASAO ADLER STUDY あさおアドラー心理学勉強会の2月2回目でした。今回も内容を少し振り返ってみようと思います。

今回わたしがとても印象的だったのは、メンバーのお一人が「まわりに『ありがとうをたくさん言うようにする』という宣言をしたんです」とのご報告をいただいたことでした。

普段から何かしら苦労を掛けているかもしれない、いつも助けてくれているかもしれない、存在そのもの、いてくれるだけでありがたいかもしれないと思って感謝の言葉をたくさん言うように決めたようでした。変と思われるかもしれないけど、宣言をしておくことで自分も言いやすくなったというご意見はとても生きた意見だなと思い、他のメンバーへの勇気づけにもなった気がします。

貴重なご報告嬉しかったです。ありがとうございました!

さて、少し内容振り返ってみますね。

|目的論

アドラー心理学の基本前提には「目的論」というものがあります。
こちらもアドラー心理学を考えるうえで欠かすことのできない概念のうちの一つです。

20世紀の心理学の共通認識として「人間の行動にはすべて理由がある」と考えます。
しかしこの「理由」という言葉をどう解釈するかは流派・学派によって変わってくるんです。例えばフロイトの精神分析系の心理学はこの「理由」の部分を「原因」として解釈します。一方アドラー心理学ではこの「理由」の部分を「目的」として捉えるわけですね。

前者は、今起きている出来事が過去の原因による結果であるという考え方で、これを「原因論」と呼び、後者は、今起きている出来事は未来にある目的のための手段であるという考え方で、これを「目的論」と呼びます。

少し例を挙げてみますね。
「旦那が何も家事の手伝いをしてくれなくて私は我慢できずに怒った」

これをまず原因論的に言いますと、現在の出来事は「私は我慢できずに怒った」ということで、その原因は「旦那が家事の手伝いをしてくれないから」という風に考えます。

これをアドラー心理学、つまり目的論で考えるとだいぶ様子が違ってきます。
まず原因を考えませんので、旦那が家事を手伝ってくれたかどうかは考えません。まず表面に現れている確認できる事実は、隠れた未来の目的に対する現在の手段、アドラー心理学では対処行動と言ったりしますが「私は我慢できずに怒った」であり、未来の隠れた目的は人によって様々なケースが考えられます。例えば相手に手伝ってもらうためとか、相手を責めたいからとか、一つとは限りません。

|感情は道具である

アドラー心理学では感情も目的を達成するための道具であると考えます。この場合でいえば例えば相手に手伝ってもらいたいために「怒り」という感情を使って相手を操作しようとしたと考えたりします。また「我慢できず」というのもアドラー心理学では考えません。基本前提には『個人の主体性』がありますので、我慢しない選択を主体的に選択したと考えます。

凄い考え方だと思いますが、これって対人関係の場合とても救いのある考え方だと思うんです。もしこれを原因論で考えますと、「旦那が家事を手伝ってくれない」のが原因で起きていると考えますから、他人が変わってくれない限りこの問題は解決しないわけです。他人が自分の行動を最終的にどうするかはやはり他人の判断ですから手を出せません。

しかし目的論で考えれば、現在の出来事は過去からの起きるべくして起きた結果ではないので、相手ではなく自分が行動の選択を変えることで問題を解決することができる可能性が増えるわけです。今回の場合、家事を手伝ってもらうために行った手段・対処行動が怒ることでしたが、例えば感情交えず「家事を一緒に手伝ってもらえると大変助かるのだけどお願いできる?」とストレートにお願いできるかもしれない。本来の隠れた目的にあわせてより建設的で協力的な行動を工夫することができます。

結果ではなく、手段。
手段であれば、やり方はいくらでもある。

個人的にはとても未来に希望の持てる考え方だなと思うんです。

|家族の影響

後半のワークではライフスタイルに関してのワークをやりまして、今回の内容は主に家族に関してです。アドラー心理学の理論には基本前提のほかにも理論がありまして、そのうちの一つにライフスタイル論というのがあります。このライフスタイル論の中の一部を取り出しワークを行いました。

アドラー心理学では性格(ライフスタイル)を決める決定因は『個人の主体性』ですが、影響因としては遺伝や環境もあると考えます。この環境の中には家族の影響も大いにあり、特にきょうだいの関係性は親との関係性よりもはるかに多く人生に影響していると考えます。

今回は自分の家族の関係性、きょうだいとの関係性、家族の価値や雰囲気などを調べてそれぞれ話し合いました。それぞれとても多くの気づきがあったようで、特に現在の自分の暮らしへの影響が分かると理解できず受け入れられなかったことがスッと受け入れられるようにもなり、スッキリしたという言葉も聞けて嬉しかったです。

|まとめ

今回は多くのディスカッションというよりは、どちらかというと自身との向き合う時間が多かったかなと思います。たまにこういった時間があるのも良いかもしれませんね。

次回の基本前提は『全体論』を予定しておりまして、ワークはエピソード分析を予定しています。

はじめての方でもメンバー一同大歓迎でございますので、ご都合よろしければぜひお気軽にご参加ください。

次回は再来週、2月27日木曜の18時半から20時で小田急新百合ヶ丘駅より徒歩5分、麻生市民交流館やまゆりの2階、会議室Bにて行います。

みなさまのお越しをお待ちしております

ASAO ADLER STUDY あさおアドラー心理学勉強会

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