ある時「自分の親は毒親だったのか!」と無意識の洗脳から抜け出せたものの、そこからどうしていいかわからず状況は一向に変わらない。
しかし毒親といえど自分の親だし、何とかしてあげたい気持ちもある。
このような悩みを抱えていらっしゃる方、結構多いように感じます。
では一体どうしたらいいのか。
心理カウンセラーの立場からお話させていただきます。
今回、かなり厳しめだと思いますが受け取るか受け取らないかは自由意志です。
みなさんの決断にお任せします。
まず「毒親の性格は、変えられるのか。」についての結論を先に言いますと、
変えられません。
がっかりされた方も多いかと思いますが、事実変えられないことの方が多いです。
まず対人関係の基本は「他人は変えられない」、です。
基本的に当事者の立場から「親」の性格を変えようとすれば必ず状況は悪化していくでしょう。
それはなぜか。
親は自分が「毒親」であるとは自覚していないことがほとんどだからです。
基本的にはすべて「教育とはこういうもの」と思って無意識に「毒親」を演じてしまっています。
自覚していない親に対して「あなたは毒親だから性格を直して」といっても受け入れるはずもなければ、変わりたいとも思わないでしょう。
親が変わる可能性があるとすれば、親自身が自分の言動や態度などに気づき、本気で変わりたいと思ったときくらいでしょう。
では状況を変えるためにはどうすればいいか。
あなたが変わるしかないんです。
相手は変えられない。
変えようとすれば、自分の理想を相手に押し付けることにつながりかねません。
だからいつだって変えられるのは「自分」しかいないんです。
ただ自分が変われば「相手」が変わることは大いにあり得ます。
「毒親」の性格が変わる可能性があるんです。
あなたが変わる第一歩は「自分を空っぽにして、親を受け入れ、理解しながら接する」ということです。決して否定したりしてはいけません。あなたが「親」になってあげるのです。
「毒親」というのは、子どもの立場からしたらつい責めてしまいがちですが、親もなりたくて「毒親」になったわけではありません。
親自身の育った環境は大いに関係しています。
自分が受けた教育をそのまま子供にしてしまいやすいということもわかっています。
つまり親自身も心に傷がついているのです。
それを理解するとどんどん原因をさかのぼってしまいがちですが、もはや原因を追究したところで前には進みません。改善するには『いま、この瞬間』に注目して、着実に今を解決していくしかありません。
責めたって始まらないんです。
初めに必要なのは責める事ではなく、許すことです。
子どもを持ったからと言って誰しもが「親」になれるわけではないと思います。
別の捉え方をすれば、子どもがいなくても誰しも「親」になれる可能性はあるということです。
「毒親」の子供である「あなた」が今、親になる時です。
あなたが「たくさんの愛情を持った親」として毒親を受け入れてあげてください。
毒親に気づきを与えられるとするのなら、それはきっと子どもにしかできないと思う。
今までは「毒親」に支配、洗脳されていた部分しか見えてなかったかもしれませんが、より高く、より大きな視点で自分の親を見て、接し方を考えてみてください。
さて、今回は「毒親の性格は変えられるのか、状況を変えるにはどうしたらいいか」について、まず自分のあり方についてお話をしました。性質としては親に働きかけるベクトルでのお話でした。
しかし、状況は本当に人それぞれです。
時には命の危険にさらされる状況も十分にあり得ます。
その際は「自分が変わって働きかける」という考えは捨て、とにかく離れることを考えなくてはなりません。
「環境」と「時」が解決してくれることもあります。
罪悪感はもたず、とにかく前に進んでください。
それは逃げではないです。
それは自分の人生を生きるための勇敢な決断です。
自分のためにも、親のためにも、一歩引いたところから最善の選択を考えてみてください。