その仕事、降りたくても降りられない時。

人は、時として選択に迫られます。

例えば仕事ですでに動き出しているプロジェクト。
それは進むにつれ、当初の予定とは違い、いつの間にか仕事の内容や関わる人が自分をどうしようもなく苦しめることになった時、あなたはやり遂げるべきか、降りるべきか、どう考えますか?

仕事内容や関わる人間に対して疑問を持ち始めてしまった場合、距離を置きたくなるのも当然な流れです。そしてその深刻度も人によって違うので何人たりともその事態を主観で当事者を否定することはできないでしょう。

継続した場合、あなた自身が不利益を被るかもしれない。
その人間関係が、あなた自身に悪影響を与えるかもしれない。
本来やりたかっとことを制限され、いつの間にか利用されているかもしれない。

降りる場合、そのプロジェクトはなくなるかもしれない。
仲間に迷惑をかけるかもしれない。嫌われるかもしれない。
残された仲間が不利益を被るかもしれない。
その人たちともう仕事ができなくなるかもしれない。

難しい選択です。

ですが、継続するも善、降りるも善です。
どちらを選んでも正解です。どちらも罪悪感を感じる必要はありません。
あなたの人生ですから。
ただし、どちらの選択も、選んだからにはそれぞれの責任を全うしなくてはなりません。

しかし今回は、「継続する選択」をした場合の、向き合い方を考えてみたいと思います。

辛いですよね。
自分の技術が正しく使われない。
良さを発揮できない。
全てが支配されてモチベーションは落ちる一方。

しかしあなたは「継続する選択」を選びました。
どうしたら最後までやり遂げることができるでしょうか。

ここであなたが継続する「目的」を考えてみてほしいのです。

おそらく今の段階でその目的は、格好つけずにザックリ言うならば「他人に嫌われたくない」ということではないでしょうか。良いんです。そう思うことは悪くありません。

しかし問題は、「継続する目的」の主人公が「他人」になっていることです。
たびたびこのブログでは人生をシンプルにする心理学の考え方として「課題の分離」という考え方をあげてきました。「他人にどう思われるか」は「他人の課題」であって、あなたの課題ではありません。 またこの中には「人に認められたい」承認欲求的な感情も絡んでいることを認めて受け入れる必要があります。

そうなるとこの状況はもはや誰のために活動をしているのでしょうか。

思い出してください。あなたはなぜその仕事を選んだのでしょうか。
誰に何を伝えたかったのでしょうか。
あなたの思いや技術は、仕事の同僚や上司に向けたものでしたか?

おそらく違うはずです。

心理学者のアドラーは、自分の選択に迷ったときに「より大きな共同体のことを考えるとよい」と言いました。これは何かを継続する際、自身のモチベーションを保つためにも有効な考え方です。

今の状況ではおそらく自分、そしてチームや仕事によって発生する利害得失で視野が一杯になっていると思います。

そうではなくより大きく、あなたが「誰のためにその思い、技術を使いたいか」を考え、最終的にチームの外、あなたの思い・技術を受け取る人たちのために全力を尽くすことが、モチベーションの下がった仕事をやり遂げる秘訣です。

「承認」より「貢献」

目の前の問題から一歩引き、客観的に自分を見つめなおし、なぜその仕事を選んだか、誰のためにこの技術を使いたいかを今一度考えてみてください。

見方が変われば、世界が変わります。
あなたが、世界を変えていけるのです。

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