好きな人を目の前にすると上手く話せない人のためのアドラー心理学。

好きな人がいるんだけれど、いざその人を目の前にすると緊張してうまく話せない。顔も赤くなるし、変なこと言ってしまいそうで、どう思われるか不安で仕方がない。そんな思いをしたことはありませんか?
今日はそんな思いを少しでも軽くできるようなお話をしたいと思います。

|上手く話せない本当の理由

上手く話せない理由は、緊張してしまったり色んな恥ずかしいことが起きてしまうと想像するから上手くいかないと一般的な心理学では考えます。この考え方を『原因論』と言いますね。

しかしアドラー心理学では全く違う考え方をします。
なにかしらの原因があって上手く話せないのではなくて、無意識にある「目的」のために上手く話せないという「手段」を使っていると考えるんです。
これを『目的論』と呼び、アドラー心理学は一貫して「目的」を考えていきます。

上手く話せないというのを「手段」とするならば、そこには一体どんな「目的」が隠れているのでしょうか。人によって様々なので一概には言えませんが、多くの場合、「嫌われたくないから」と一言で表せるかもしれません。
「ありのままの自分」という自分像が相手に知られ、それが受け入れられる場合もあれば、受け入れられない場合だってありますね。受け入れられなかった場合、当然ながら人の心は大変に傷つきます。

人の無意識はそういった非常事態を避けるために、体に様々な信号を送って症状を避けるための状況を作り出してくれるんです。

今回のケースで言うのであれば「好きな人に受け入れられない」が非常事態であり、それを回避してくれる症状が「上手く話せない」なのです。

したがってアドラー心理学的に言うのであれば、「好きだけど話せない」のではなく「好きだけど話したくない、話す決心がついていない」と考えます。

|好きな人の前でもあなたはちゃんと話せる

前項で、あなたが好きな人の前で上手く話せない理由が分かりました。

ここで一度立ち戻って考えてほしいのです。

もし上手く話せない理由が「緊張」や「赤面」などの様々な症状が原因だとしたら、それがなくならないことには、この先もずっと上手く話せないということになりますね。
体に出る症状は自分が意識をすれば治まるなんてことはまずありません。これって結構絶望的です。

しかし「緊張」や「赤面」などの諸症状が「手段」であるならば、あなたの「好きな人の前で上手く話せない運命」を支配しているのは、自分ではどうしようもできない症状ではなく、あなた自身の「意志」ということになります。

症状は関係ありません。
あなたが話そうと勇気を持てる限り、しっかりと話しをすることができます。

|そもそも「上手く」話す必要はあるのか

さあ、症状は関係がないことが分かりました。
あなたのこれから先の素晴らしい人生は、症状なんかに邪魔はされません。

こういうと「症状は残ったままなの?」という声が聞こえてきそうですね。
はい、最初のうちは症状は残ったままでしう。

でも本来のあなたの本当の「目的」はなんでしたか?
緊張せず、顔を赤らめず、話す内容を忘れず、動揺しないで話す事ですか?

それってとても表面的な事だと私は思うんです。
本来の目的は「相手と話して自分を知ってもらう事」であって、伝われば上手く話せるかどうかなんて関係ないかもしれない。

上手く話せば、自分をより知ってもらって、自分の良さが伝えられると思いがちですが、これは必ずしもイコールではありません。

時に不恰好でも、そのまま体当たりした方がその人の良さが伝わることだって多いにあります。つまり「上手く」の部分ってあまり関係ないんですよ。気にしているのは自分だけだったりします。

|他人の評価は気にしない

それでも「上手く話す」が手放せない人はいます。実際に私もそうでした。
これにはアドラー心理学でいう「ライフスタイル」というものも関わってきまして、上手く手放せない人はどうしても他人の評価を気にしてしまうライフスタイルの傾向があるようです。

他人が今の自分を見てどう思うか。変に思っていないか、嫌われないか、ダメなやつと思われていないかなど。

でもこの不安の内容を考えてほしいのですが、これって「相手がどう思うか」であって自分には何の決定権もないし、考えたところで自分が相手の思考や行動をコントロールできるわけではありません。

結局、自分がしなくてはいけないことは「自分ができること」しかないというところに行き着きます。そして自分ができることをしない場合に起こる様々な結末は、あなたがその責任とともに引き受けるしかないのです。

これをアドラー心理学では「課題の分離」といいます。
本来のニュアンスとしては「精神的に自立して、他人のせいにしたりせず、自分の責任は自分で持てる大人になりましょう」といった目的がありますが、今回のケースでも課題の分離の一部を適用することができますね。

自分がすべきこと、できることとは何でしょうか。
「どうであれ声を出し、話しをして、『自分』を伝える事」のみです。

相手がそれを見てどう思うかは相手の課題、相手の主観、価値観に依存します。やはり変だなと思う人もいるかもしれないし、懸命に話をするあなたの姿に感銘を受け、もっと話をしたい、聞きたいと思ってくれる人もいるかもしれない。

相手の反応や決断、行動をあなたが背負い込む必要はありません。
もう相手に任してしまいましょう。
ダメならまたその時考えればいい。
まずは実行すること。
これが大事です。

|まとめ

「とにかく実行する」ということは分かったと思います。

でも実行することが必ずしも正義ではないし、やらない選択肢もあります。
ただ迷ったら「この選択をするとどんな結末があるか」を予測してほしいんです。

どちらの方が自分のためになるのか。

今回の場合で言えば、上手く話せないことを理由に、話すことを避けていたら症状は克服できないし、好きな人とも一緒になれません。
でもどんなにみっともなくても、話しかければ何かが始まるでしょう。
話しかけた結末は自分の想像以上のものが待っているかもしれません。

何を選ぶかはその人の自由です。
でも自分の幸せのためにも、今この瞬間、どんな選択をするのかは大胆に勇気をもって決めてほしいと思います。

進みだす前に心配しない。
どうせなら一歩前に足を出しちゃってから心配してください。
心配していようが進みだしたら簡単には止まれませんから、行くところまで行ってみましょうよ。

大丈夫。
きっと上手くいきますからね!

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